スティーブンキング原作・映画「ミスト」のご紹介です。
後味悪いの悪いラストから「鬱映画」「バッドエンド映画」とも言われており、賛否両論が分かれる作品です。
今回は、映画ミストより、スーパーに残った人たちはどうなったのか?原作やドラマとの違いについて調べてみました。
映画「ミスト」のあらすじ
のどかな田舎町を突如襲った正体不明の“霧”。
それが街を包んでいく中、身動きが取れずスーパーマーケットに取り残された人々。
その中にはデヴィッドと息子ビリーもいた。霧の中には“何か”がいる。次第に明らかになっていく戦慄の事実の数々。
生き残るためには、店内の人々が団結する他に術はない。
しかしデヴィッドと彼の賛同者たちは、霧の中に潜むこの世のものとは思えない恐ろしい生物の群れと戦うと同時に、
狂言的なミセス・カーモディ率いる店内の人々とも対峙しなければならなかった。
そんな中、かすかな希望を抱いて最終決断をするデヴィッドたちに待っていた驚愕の結末とは?引用:Amazon
映画ミストのキャスト紹介
◆デヴィッド・ドレイトン(トーマス・ジェーン)
主人公。有名な画家で映画のポスターを書いている。息子思いの愛妻家。
本編に出てくる絵は、スティーヴン・キングの長編小説シリーズ「ダーク・タワー」のポスター。
◆ビリー・ドレイトン(ネイサン・ギャンブル)
デヴィッドの息子。父親を慕っている。
◆ステファニー・ドレイトン(ケリー・コリンズ・リンツ)
デヴィッドの奥さん。
◆ブレント・ノートン(アンドレ・ブラウアー)
デヴィッドの隣人の黒人弁護士。過去、デヴィッドと境界線の事でトラブルを起こした。
◆アマンダ・ダンフリー(ローリー・ホールデン)
学校教師をしている金髪の女性。ビリーの面倒をみてくれる。
◆ミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
信仰が強い女性。事態を聖書の「最後の審判」の試しだと信じ込んでいる。
◆アイリーン・レプラー(フランシス・スターンハーゲン)
小学校で教師をしている白髪の老婦人。
映画ミストで弁護士達はどうなった?
映画ミストに出てくる弁護士は主人公デヴィッドの隣人、ブレント・ノートン。
劇中では、霧の中の”何か”を確認するため、周りの反対を押し切ってブレント他数人とスーパーの外へ出かけます。
どこまで行けるか確かめるために、最後に行く男性メンバーの腰にロープをつけて外へ行かせました。
しばらくしてから、ロープが急に引っ張る力をなくしました。
と思いきや、急に引っ張る強さが増し、男数人で綱引き状態になるも、デヴィッドの手が切れるほどの勢いです。
その後、反応がなくなったロープを引き寄せると、途中から血に染まったロープになり、先端には腰のみが巻き付けてありました。
弁護士のブレントと他数名がどうなったか?という事は、劇中では分かっていません。
ただ、予想ですが、最後の男性の下半身だけ残っていたということは、ブレント達も助かっていないのでは?と思います。
映画ミストでアマンダはどうなった?
アマンダは、学校教師をする金髪の女性で、スーパーに買い物に来ていたお客の一人です。
アマンダは、混乱したスーパーの中で怯えるビリー(デヴィッドの息子)の面倒をみてくれます。
孤立したスーパーの中では派閥が起きるのですが、
1.弁護士のブレント・ノートンを筆頭に、外へ出たいと思う人たち。
2.デヴィッドを筆頭に、臨機応変に対応しようと考えている人たち。
3.カーモディを筆頭に、今回の異変は「最後の審判の試し」と信じている人たち。
4.特に考えがあるわけではなく、積極的に何かするわけではない人たち。
この中で、アマンダはデヴィッド側につき、いつも他の男性よりは冷静さを保っているように見えます。
アマンダは、最後、デヴィッド達と一緒にスーパーを抜け、車で脱出を試みます。
そして最後、後味の悪い結末へと繋がっていくのです。
映画ミストでスーパーに残った人達はどうなった?ハッピーエンドになった?
終盤、デヴィッド・アマンダ・ビリー・アイリーンと老人の5人は、スーパーを出て車で脱出を試みるのですが、その他大勢の人たちはスーパーに残ります。
その後、スーパーに残った人たちはどうなったのか?
劇中では、スーパーに残った人たちの行方ははっきりと分かっていません。
ここは予想するしかないのですが、私の予想だと「助かった」のではないか、と思います。
映画では、ライトのせいで怪獣たちに襲われましたが、スーパーに残った人たちは、元はカーモディを信仰していた人たち。
この人たちは、上記の4番グループの「これと言って何するわけでもない人たち」です。
そのため、そのままスーパーに留まっているのでは、と思います。
とはいえ、今度は残った人たちで、何かしらの派閥が生まれている可能性がありますが、基本的にはスーパーの中にいれば安全です。
なので、助かったのではないかな、と思います。
映画の最初に出てきた「子供を留守番させて買い物に来た女性」を覚えていますか?
「家に帰りたいので、誰か送って欲しい」をお願いするも、皆外には出たがらず「YES」と言いません。
そんな状況を見てその女性は「地獄に堕ちて」と吐き捨てて、霧の中へ消えていったのですが・・・。
その女性が、ラストのシーンで子供たちと一緒に、軍に助けられていました。
ラストのラストで、軍の車に沢山人が乗っているので、それがスーパーに残った人たち?と思いたいです。
映画ミストと原作の違いは?
映画ミストの原作小説は短編小説「闇の展覧会 霧」が原作となっています。
名作ホラーが集められた「闇の展覧会 霧」は、スティーブン・キングファンにはたまらない1冊です。
その中でも「霧」は、中編小説となっていて、小説の3分の2くらいを占めています。
映画と原作の違いは、原作とほぼ忠実ですが、細かい部分の違いがあります。
①若い兵士の運命
映画では、怪物が出現するきっかけを作った今回の事態は軍のせいだとわかり、スーパーの中にいた若い軍人が「お前のせいだ!」とリンチを受け、スーパーから追い出されてしまい、怪物の餌食になってしまいます。
しかし原作では、この若い兵士がこっそりと自死してしまいます。
映画では、若い兵士の2人が自死していましたね。
若い兵士の最期が少し違います。
②デヴィッドとアマンダの関係
映画では、デヴィッドはアマンダとなんの関係もありませんでした。
(でも私としては、デヴィッドとアマンダがどうにかなってしまうのでは?と映画を観ながら思っていましたが)
しかし原作では、デヴィッドとアマンダが、ビリーが寝ている間に関係をもってしまいます。
これを知った時に、少しショックな気持ちと、あーやっぱりな、という気持ちの両方が出てきました。
③ラストの違い
映画ミストと原作の大きな違いは、ラストではないでしょうか。
映画では最悪な結末を迎えますが、原作では全く違います。
映画では、デヴィット・ビリー・アマンダ・アイリーンと男性老人の5人で脱出しますが、原作では、デヴィット・ビリー・アマンダ・アイリーンの4人で脱出をします。
また、映画では、途中でガソリンがなくなり、その後の絶望的なラストとなっていますが、原作では、ハイウェイを進み、途中にたどり着いたガソリンスタンドに便箋があり、ここまでの話をしたためたというのが、物語のラストのシーンとなっています。
そのガソリンスタンドで、主人公はラジオを見つけ、ノイズだらけのダイヤルを回し、ふたつの言葉を聞きました。
一つ目はハートフォードで、もうひとつはホープ(希望)だと。
ラジオから聞こえる2つの言葉に、わずかな希望をもって物語が終わります。
映画のラストは、監督フランク・ダラボンのアイデアだそうです。
原作者のスティーブン・キングが、監督からこのアイデアを聞いた時に「何で自分がその結末を思いつかなかったのか。思いついてたらその結末にしてた。」と言ったほどの大絶賛だそうです。
映画ミストとドラマ「ザ・ミスト」の違いは?
海外ドラマで「ザ・ミスト」があります。
タイトルには「ザ」が付いているだけで内容は同じ、と思いきや、町が霧に包まれるというところは同じですが、登場人物の名前などが入れ替えとなり、全く異なります。
ドラマ「ザ・ミスト」あらすじ
マチューとアナ夫妻には、幼少期の病気のせいで隔離部屋の医療装置から出られない11歳の娘がいた。
ある日、パリで大地震が発生し、街中が濃霧に包まれてしまう。夫妻はビルの屋上に避難したものの、娘を部屋から救出できずにいた。
レスキュー隊も為す術がなく医療装置のバッテリー切れが迫る中、2人は娘を助けるべく霧の中へ飛び込むが……。
引用:映画.com
ドラマ「ザ・ミスト」キャスト紹介
♦マチュー(ロマン・デュリス)
主人公。自己免疫疾患を患う娘を持つ。娘の治療法を探し回り、定職に就いていない。愛情深い性格。
♦アナ(オルガ・キュリレンコ)
マチューの妻でサラの母親。娘を看病するため、在宅にて教師の仕事をしている。
♦サラ(ファンティーヌ・アルデュアン)
マチューとアナの娘で12歳。自己免疫疾患を患っていて、生まれてからずっとカプセルの中で育てられる。同じ病を患う少年に恋をしている。
♦リュシアン(ミシェル・ロバン)
アナとサラが住むアパートの最上階に住んでいる老人。認知症の妻と二人暮らしをしており、性格はとても温厚。アナとマチューを助けてくれる存在。
このように、「ザ・ミスト」の舞台はパリで、子供の性別も映画では男の子ですが、「ザ・ミスト」ではティーンエイジャー女の子です。
あらゆる場面が違うので、映画ミストとは全く別物と思って観たほうが楽しんで鑑賞できると思います。
まとめ
映画ミストは、主人公の選択が、結果としてどれも悪い方向にいってしまいます。
自分だったらどのような選択をするかを考えると、怖いですね。
衝撃的なラストで賛否両論がある映画ミストですが、スティーブン・キング作品が普通に終わってしまったら、ちょっと物足りないと思うかもしれません。
スティーブン・キングの映画としては、モヤモヤが残るいい終わり方なのではないかな、と思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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